水草業界では(そんな「業界」と呼べる規模なのかは疑問だけど)、エキノドルスの増やし方としてよく「イモを切り分ける」という言葉を用いる。しかしエキノドルスの「イモ」はただ葉の落ちた地下茎に過ぎず、葉がついてから二次的に肥大するわけではないし、さほど澱粉質でもない。したがって私にはこれが「イモ」であるとはとても思えないし、イモではないものをイモと言うのには、抵抗がある。 ということで、イモとはなんなのか、と(吉田, 2019)にさっと目を通してみた。 「イモ」とは、もともとサトイモのことである。平安時代の和名類聚抄ではサトイモを「芋」、ヤマノイモを「山芋」としている。本州において古代から江戸時代ま…