技術と経営を教えて就農に導く指導者のあり方にも、二つの例がある。一つは行政と連携し、国や都道府県の支援制度を使って手厚く就農者を育てる「認定研修機関」のあり方。もう一つは、制度に頼ることなく個人的に就農者を育てる例である。研修機関の認定を受ける条件を満たせないとか、その手続きが煩わしいとして、全くの個人意志と手弁当で農家育成に尽力する人たちだ。 茨城県の例を紹介しよう。茨城県には、認定研修機関が8団体ある (2023年現在)。うち3つが農学校で、県立農業大学校と民間の2専門学校である。他の5団体は、茨城県農林振興公社、1市、2農協、私も関わる1有機農家協議会である。このうち有機農業者育成を行っ…