先日購入した東洋文庫『羅振玉自伝』(深澤一幸訳注)を読んで気になったこと。 羅振玉は光緒二十七年(1901、明治34年)に教育制度調査のため日本を訪れている。1866年生まれだから満35歳だった。滞在は12月末から翌年2月下旬(旧暦11月から翌年正月)までの二か月間だったが、その間様々な場所に行き、いろんな人と会っている。 その中に東亜同文会副会長の長岡護美子爵(熊本藩細川家十代の六男)との面会について書かれている。ある日、長岡子爵(満59歳)から華族会館に招かれた。通訳一人だけである。子爵は尋ねたい秘事があるので他人を呼ばなかったとして話し出す。 引用開始(中略、下線、色文字などは引用者) …