ラテンアメリカ学者、立教大学准教授。1960年東京都生まれ。東京都立富士高等学校卒、1985年東京大学教養学部卒、92年同大学院総合文化研究科地域文化研究博士課程満期退学、岐阜大学教養部講師、1996年立教大学大学教育研究部助教授、97年同文学研究科助教授、98年同法学部助教授、2008年異文化コミュニケーション学部准教授。
ふと目についたので図書館から借りてきたのが、昨年8月刊行の岩波文庫だが、これは1991年ころ書かれたチリの作家の戯曲で、世界的成功を収め、日本でも上演されたらしい。ウィキペディアでは「アリエル・ドーフマン」として立項されており、1942年生まれだから81歳になる。ピノチェットの軍政の傷跡を、二人の男と一人の女だけの舞台で表現しており、40歳前後の女パウリナは、軍政下で監禁され強姦された経験があり、弁護士ヘラルドはその夫。50歳前後の医師ロベルト・ミランダは軍政の協力者でパウリナを拷問した男らしく、民政回復後に先の二人がロベルトを拉致監禁して拷問するという筋立てである。題名はシューベルトの弦楽四…