つい一昨日、4月23日にヘレン・ヴェンドラー(Helen Vendler)が亡くなったという。ヴェンドラーはアメリカの批評家で、特に抒情詩について多くの著作がある。 私にとってヴェンドラーは最も尊敬する詩の読者のひとりで、著作を通じて実に多くのことを学ばせてもらった。日本語の翻訳はそれほど多くは出ていないが、それはもしかすると、ヴェンドラーが詩の原文テクストというものに強くこだわり続けた結果かもしれない。彼女は自らを「詳しく論じるテクストがなければどうしようもなく我慢ならない批評家」(“a critic incorrigibly unhappy without a text to dwell …