必殺渡し人

必殺渡し人 ひっさつわたしにん テレビ

目次
  • 必殺渡し人とは
    • ナレーション
    • 内容
    • スタッフ
    • キャスト
    • 各話タイトル(全13話)

リスト::時代劇


必殺仕事人III → 必殺渡し人 → 必殺仕事人IV

人気時代劇必殺シリーズ」第20弾。第9弾『必殺からくり人血風編?』以来、非主水シリーズにあって、久々に江戸を舞台にした作品である。

1983年(昭和58年)7月8日より10月14日まで全13回にわたって放送された。

当時青春スターの印象が強かった中村雅俊を殺し屋に起用し話題を集めた。また『必殺仕置屋稼業?』『必殺仕業人』で密偵役を演じた渡辺篤史が、藤田まことの推薦で殺し屋に昇格。殺し技には『新必殺仕置人』以来のレントゲン映像が用いられた。

渡し人メンバーを束ねる元締に銀幕の女王・高峰三枝子を起用。殺しを行う前に身を清める、という設定で、当時話題となっていた国鉄(現・JR)のフルムーンのCMを模した入浴シーンが登場する。

中村雅俊演じる惣太の恋女房・お直役に、関西喜劇界の大御所・藤山寛美の娘・藤山直美を抜擢。惣太を一途に愛していながらも、慣れない江戸の暮らしに悪戦苦闘する姿を体当たりで演じている。

劇中曲の何作かは、中村啓二郎の手によって作曲されている。

必殺シリーズの中では異色の配役であり、また再放送の機会も少ないことから、ファンの間からは「伝説の作品」とされており、その作品レベルも後期作の中では比較的高いレベルを維持している、見ごたえのある作品である。

ナレーション

昔から悪の栄えたためしはないと

世のたとえには言うけれど

どうやらそうではないらしい

山のあなたの国々も悪が栄えていると言う

わからない事ばかりだが

わかっている事ただひとつ

許せぬ悪を消す事だ

この世とあの世の境の場所で

舟を浮かべて待っている

三途の川の渡し人

(作:山内久司/語り:佐藤慶

内容

その昔、裏の世界を「鏡」の名で鳴らした渡し人・惣太(中村雅俊)は、恋女房・お直(藤山直美)との結婚を機に、人を殺した手で愛する女を抱くことを嫌い、裏の世界から足を洗い、表稼業の鏡磨きで生計を立てていた。

そんなある夜、惣太は不思議な光景を目にする。お直が世話になっている蘭方医・鳴滝忍(高峰三枝子)がヤクザ風の男に絡まれていたのだ。その男は忍を「兄の仇」だと言い、刀を抜いて襲い掛かるのだが、忍は動ぜず、ヤクザの男を一瞬にして返り討ちにしてしまう。その姿の一部始終を見ていた惣太は、忍もまた、裏の世界の住人であることを知ったのだった。

ある日、忍の診療所にお沢(西崎みどり)という美しい女性がやってくる。お沢は妊娠しており、自ら堕胎手術を申し出るのだった。お沢は大身の旗本である大目付・水野隼人正(外山高士)の家に奉公する女中で、妊娠したのは隼人正の息子・徳太郎(古川真司)の性欲の捌け口として乱暴され、無理やり孕まされたことが原因だったのだ。堕胎手術を断られたお沢は自ら子供を流そうと体を痛めつけるが、それが原因で体調を崩し、再び忍の診療所に運ばれてくるのだった。

出産を頑なに拒否するお沢に、忍は自分の身の上を話す。自分は、オランダから長崎に来た医師と丸山遊郭の女郎の間に産まれ、本来ならば流されるはずの赤ん坊であったこと。長崎奉行所からは下ろせと強制されていたが、長崎から逃亡をしてまで忍を産んだこと……忍の独白に涙を流すお沢であった。

お沢に同情し、愛情を抱いた大吉渡辺篤史)は、お沢とお沢の身ごもっている子供の面倒を見たいと申し出る。いつまでも独身の大吉の身を案じていた母親のお鹿(三崎千恵子)もこの案に賛成し、お沢を一家に迎えるのであった。

ところが、お鹿からこの知らせを受けた隼人正とその奥方・松江(松村康世)は、世間での醜聞と出産後の跡目争いを恐れ、口封じを決行。子飼いの奉行所同心・旗野(五味龍太郎)に命じて、お沢とお鹿を捕縛。拷問を加えるのであった。

拷問の末、お沢は身ごもっていた子供が流産し、ショックで記憶が喪失。お鹿はあまりに過激な拷問に耐えられず死亡。大切な人間を一度に2人も失った大吉は逆上し、復讐せんと包丁を手にする。惣太の静止に大吉は言う。「理屈はいらねぇんだ!あいつらは悪い。殺る。殺るだけ殺る!」

惣太は何とか大吉をなだめた後、今回の事件を忍に相談する。忍がヤクザを返り討ちにした姿を見ていた惣太は、裏の仕事で恨みを晴らすことを持ちかける。夜鷹狩りで殺された母親の恨みを晴らすため、母親を殺した岡っ引きを仕置きしたのがきっかけでこの道に入った忍。母の残した医学書と、護身用の仕掛け指輪で、医学の勉強と殺し屋稼業の二束の草鞋を履いていた忍だったが、人を殺した手で人を治すことの矛盾に嫌気がさしていた忍は、裏稼業から足を洗っていた。その話を聞いてしまった大吉は、自分も仲間に加えて欲しいと惣太、忍に頼み込む。「素人には無理だ!」と止める惣太であったが、母親と愛する女性が被害に遭ったことへの怒りと熱意に押される形で、渡し人の一員として迎えることになる。

お鹿から預かっていた薬代を渡し料にして、裏稼業への復帰を承諾する忍。

「私たちはね、世直しの神様じゃないんですよ。晴らせぬ恨みを代わって晴らす請負仕事。それだけの職人なんですよ」

こうして、新たに結成された渡し人メンバーは水野一派を急襲。花火の宴での大仕掛けがはじまった。

スタッフ

キャスト

各話タイトル(全13話)

  1. 涼みの夜に渡します 脚本:吉田剛 監督:田中徳三 ゲスト:三崎千恵子 外山高士
  2. 秘密の宴で渡します 脚本:吉田剛 監督:田中徳三 ゲスト:田口計
  3. 大元締の前で渡します 脚本:篠崎好 監督:原田雄一 ゲスト:内田勝正 御木本伸介
  4. 花火の夜に渡します 脚本:中原朗 監督:原田雄一 ゲスト:有川博 内田喜郎
  5. 矢切りの渡しで渡します 脚本:篠崎好 監督:松野宏軌 ゲスト:岩田法子 山本紀彦 上野山功一
  6. 精霊流しに渡します 脚本:吉田剛 監督:田中徳三 ゲスト:山本ゆか里 山本昌
  7. お化け屋敷に渡します 脚本:鶉野昭彦 監督:松野宏軌 ゲスト:加納竜 田中浩
  8. 祭り囃子で渡します 脚本:篠崎好 監督:八木美津雄 ゲスト:浜田晃
  9. 無縁墓地で渡します 脚本:三田純市 監督:松野宏軌 ゲスト:石橋雅史
  10. 湯女風呂で渡します 脚本:津島勝 監督:津島勝 ゲスト:森下哲夫 福本清三
  11. 浮世絵の舞台で渡します 脚本:中原朗 監督:松野宏軌 ゲスト:加山れいこ
  12. 二人がかりで渡します 脚本:萩田寛子 監督:松野宏軌 ゲスト:水原麻記
  13. 秋雨の中で渡します 脚本:中原朗 監督:山根成之 ゲスト:滝田裕介 牧冬吉

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