森本あんり氏の反知性主義を読んだ。「反知性主義」という言葉自体はいつの頃からか目にしたり、耳にしたりすることがあった。その意味するところも、この言葉から科学的な知識や知見に反した行動や言動することを指すのだろうと漠然と思っていた。なぜそのような事をするのかということまでには考えたことはなかったのだが、本書を読んで、これが単なる知性に対する反抗といような単純な話ではなく、アメリカ合衆国の成立とアメリカにおけるキリスト教の歴史と深く結びついているということが分かった。 ピューリタンと知性主義 アメリカは移民の国なので様々なバックグラウンドを持つ人たちがやって来たが、その中の一派にピューリタンがいて…