富士谷成章

富士谷成章

(一般)
ふじたになりあきら

元文三年(1738)〜安永八年(1779)
皆川春洞の次男。皆川淇園の弟。富士谷御杖の父。柳川藩に仕えた。

【国語学上の業績】彼は国語学者として劃期的の業績を遺した。
(一)品詞の分類。彼は語を「名」「装」「挿頭」「脚結」の四つに分類した。語を品詞に分けて研究することは、実に成章に姶まつたのである。この分類法が鈴木朖東条義門等に影響した。
(二)国語の時代的区分。彼は国語を上代・中世・近古と分け、更に細別して上代から彼の時代までを六期に分けてゐる。その時代区分は、直に妥当とは云へないが、かくの如く時代を分つて研究する事は、また彼に始まつたものである。
(三)装の研究。謂はゆる「装」とは、動詞・形容詞に当るものであるが、動詞(事《こと》といふ)と形容詞(状《さま》と云ふ)に分けて、その活用を八段に分けた。之の研究は朖及び義門の活用研究に重大な影饗を与へたもので、活用研究上特筆大書しなければならぬものである。
(四)挿頭及び脚結の研究。「挿頭」「脚結」と云ふ分類法は、爾後の学界では用ひられなかつたが、一々の挿頭・脚結の研究には、今後の学界にも貢献すべきものが少くない。
(五)彼は豊富な材料を以て緻密分析的研究を進めた。その優れた識見と科学的研究法とは、その後の学界に大きな影響を与へてゐる。彼は宣長と同時代の人であるが、門下が発展しなかつたために、名声は宣長よりも遥かに劣つてゐるが、国語学上の業績は、決して宣長に劣るものではない。
【参考】学界の偉人 西村天囚    〔【国語学上の業績】は亀田次郎による*1

著書

風間書房より全集あり。)

【参考文献】
竹岡正夫『富士谷成章の学説についての研究』風間書房 1971 893p

ひところ「しげあや」などとも読まれた*2

*1:著作権切れで、転載しても問題ない。

*2:『新潮日本文学大辞典』など。

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