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文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約

社会

文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約

ぶんがくてきおよびびじゅつてきちょさくぶつのほごにかんするべるぬ

[英] the Berne Convention for the Protection of Literary and Artistic Works

文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約は、著作権に関する基本条約である。

1886年スイスのベルンで作成されたことから、通称「ベルヌ条約」と呼ばれる。

ベルヌ条約は、国際著作権法学会ヴィクトル・ユーゴーの発案により作成され、ローマ改正ブリュッセル改正ストックホルム改正など幾度かの改正を経ており、現在のものは1971年のいわゆるパリ改正*1と呼ばれるものである。

2008年現在で163か国が加盟しており、日本は1899年に加盟した。

主な特徴として次の点が挙げられる。

保護国法の原則
著作物に与えられる著作権保護は、条約以外に、保護を与える国の法令によって決まる(5条2項)。これにより、著作物の利用が著作権侵害になるか否か、著作権保護の方法などに関する準拠法(著作権の準拠法)は、著作物の利用行為地によると理解される。この原則は属地主義と呼ばれることもあるが、パリ条約における属地主義とは性格が異なるため注意が必要である。
内国民待遇
条約加盟国は、他の加盟国の著作物に国内の著作物と同等以上の権利保護を与える(5条1項など)。外国人の権利につき内国人の権利と異なる定めをすることがあるが(外人法、外国人法)、加盟国の著作物については同等に扱われることになる。ただし、著作権の保護期間については相互主義が許容されており、同盟国は、著作物の本国(country of origin)において定められる保護期間を超えて保護しなくてもよい(7条8項)。
無方式主義
著作権著作物の創作時に発生するもので、著作権の発生のためには、登録、納本著作権表示などの方式(手続き)を必要としない(5条2項)。この原則の存在のため、方式主義(著作権発生の要件として登録や著作権表示を必要とするもの)を採用する国がこの条約に加盟しない事情があったので、無方式主義と方式主義を架橋する目的で、別途万国著作権条約が制定された。
著作者人格権の保護
加盟国に対し、著作権が著作者から他者に移転された後も、人格的権利として著作者が保有する著作者人格権を保護することを求める(6条の2第1項)。さらに、著作者が死亡した場合においても、少なくとも著作権財産権)が消滅する時までは、著作者人格権を保護しなければならないとしている(6条の2第2項)。
遡及効
条約締結時以前に作成された著作物にも、遡って保護を与える。
著作権の保護期間
写真の著作物及び応用美術の著作物の場合を除き、加盟国は著作権の保護期間を著作者の生存の間及び死後50年以上としなければならない。ただし、各国内での著作権について直接定めるものではなく、各国の最低限の義務を定めるものであり、7条1項で生存の間及び50年と規定した上で、7条6項でそれ以上としてもよいと定めている。

*1:千八百九十六年五月四日にパリで補足され、千九百八年十一月十三日にベルリン改正され、千九百十四年三月二十日にベルヌで補足され並びに千九百二十八年六月二日にローマで、千九百四十八年六月二十六日にブリュッセルで、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された千八百八十六年九月九日の文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約