序文・兜との関係 堀口尚次 月代(さかやき)とは、江戸時代以前の日本にみられた成人男性の髪型において、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた〈抜き上げた〉部分を指す。さかやきを剃った髪型のことは、野郎頭や半髪頭と表現される。 兜を被った際に頭が蒸れるのを抑えるために始まった風習とされる。平時は側頭部および後頭部の髪をまとめて髷を結った。なお、現代日本において時代劇等で一般男性の髷としてなじみとなっているのは銀杏髷(ぎんなんまげ)であり、髷が小さい丁髷(ちょんまげ)ではない。さかやきをそり、髷を解いた髪型を「童髪(わらわがみ)」といい、「大童(おおわらわ)」の語源となっている。また、兜を被…