花が枯れていく様を目の当たりにしたのは8歳の春休みの事だった。 大好きだった祖母と出かけた春休みの遊園地のベンチで 頭痛を訴えた祖母。 「すぐに良くなるから。これを飲んで待っていてね」と手渡された 三ツ矢サイダーの缶。 しかし突然祖母の身体が前にのめり、 支えきれずに祖母は花壇の中に倒れてしまった。 救急車で病院に搬送される道すがら 救急隊員に再度手渡された三ツ矢サイダーの缶を抱きしめて抱きしめて病院に向かった。 一週間後、祖母は十字架が付いた小さな箱に納まって帰宅した。 遺影を彩る生花のなかに、わたくしが選んだ黄色いバラが飾られていた。 日ごと萎れて衰えていく祭壇の白い花たちを間引いて間引い…