「文藝別冊-総特集:望月ミネタロウ」に刺激されて古書で購入。最終巻だけ未読だったという記憶。 今読むと「当時、ダニエル・クロウズとかアメリカのオルタナコミックが好きだったので、そのへんからの影響もあります」ということは理解できる。所謂「グラフィックノベル的な方向」。 「オチまで全部考えて描き始めたもの(中略)よく読んでもらうとわかるんですけど、仕掛けを入れすぎちゃったんですよね」と語るとおり、緻密に作意を積み重ねても物語が有機的に機能しなかったという印象。 「完璧な人生なんてない、この痛気持ちいい感覚こそが人生なんだ、と伝えたかったんですけどね」とのことでしたが、「バタアシ金魚」から受け取った…
望月ミネタロウの「没有漫画没有人生」きっかけで「ちいさこべえ」を再読しているうちに原作が読みたくなって購入。 中編の「花筵」と「ちくしょう谷」がやや自然な説得力に欠けるので全体の印象はいまひとつ。ラストの「へちまの木」も芯を外している感触。 短編「ちいさこべ」は爽やかで良い。漫画は原作に忠実なような、かなり変えているような。現代に置き換えずにそのまま漫画化しても良かったのでは(読みたい)。 「花筵」が昭和23年(1948年)、「ちいさこべ」が昭和32年(1957年)、「ちくしょう谷」が昭和34年(1959年)、「へちまの木」が昭和41年(1966年)と年代はバラバラ。どういうセレクションなんだ…