北沢川文化遺産保存の会

一般

北沢川文化遺産保存の会

きたざわがわぶんかいさんほぞんの

北沢川文化遺産保存の会 とは、下北沢鉄道X交点(小田急線京王井の頭線)周辺、代田・代沢・北沢、一帯の文化を掘り起こし、その記録や保存を行っている任意のボランティア団体のことである。2004年12月に発足した。

 

 この会は、規約冒頭に、独自の憲章を掲げている。

  われらは自由である。他者存在への慮りがあっての自由である。想像を巡らしたり、ものを書いたり、歩き回ったり、ネットに記したり、そのことにおいて自由である。

 われらは文化を探り求めるものだ。人々が生きてきた土地の臭いやその痕跡を探したり、調べたりして、その歴史を記すものだ。この記録や覚えがあって、人が自由でありうると信ずるからだ。

 われらは自由である。われらが主体的にことを為すことによってそれは獲得できるものである。何人もその自由を妨げることはできない。


 この会は、環状七号線、宮前橋から淡島通り下代田橋までを「北沢川文学の小路」と名づけ、それぞれの橋のたもとに関わりの深い文学者文学碑を建てようとの提案を行政や地域に呼びかけている。現在、「文学の小路」両端に行政による案内看板が建てられており、そこに小路の由来が記されている。

 これまで行政や企業の支援を得て、「北沢川文学の小路物語」、「下北沢鉄道X交点周辺文化地図」、「下北沢文士町文化地図」、「下北沢X惜別物語」、「安吾文学碑記念記録集」などの冊子を発行してきた。

 代沢小学校には東邦薬品株式会社の協賛を得て坂口安吾文学碑を建立した。また、世田谷代田に聳え建つ萩原朔太郎ゆかりの鉄塔、「代田の丘の61号鉄塔」を世田谷区風景資産に推薦し、これが選定を受けた。他に類例をみない文学モニュメントだと言える。この鉄塔由来碑は、北沢川緑道に建つ。(12.10.6)

 

 記録に関しては2008年度より「戦争経験を聴く会・語る会」を催し、消えゆく戦争の記録を残している。それらの成果は「東京荏原都市物語資料館」に掲載されている。2011年度には第四回「海軍第14期飛行予備学生」の話を聴く会を行った。2012年度、第五回は「疎開学童と特攻隊」を開催した。代沢小、東大原小、駒繋小疎開学童が武剋隊、武揚隊の兵士たちとふれ合っていたということがテーマである。

 2013年度は二度の 特攻に行きそびれて三度目に、陸軍秘密兵器「桜弾機」に搭乗して 特攻に向かう予定だった前村弘さんの体験談を伺った。2014年度も七回目を開催する予定だ。

 戦争に関しては、会の活動から新たな情報が発掘された。それは『鉛筆部隊特攻隊』(2012.彩流社刊)、『 特攻隊と(松本)褶曲山脈』(2013彩流社刊)にまとめて上梓されている。新たに集まった情報は整理している最中で、「信州特攻三部作」の完結編(2014年刊行予定)を主幹の、きむらけんが執筆中だ。

 当地一帯の伝説としては代田の「ダイダラボッチ」がある。これについてのフィールドワーク、文献調査を行ってその記録もまとめている。これをもとにした「幻想朗読劇 ダイダラボッチ」を創作した。これを市民の手によって演じた。

 毎月の活動としては、第三土曜日の午後、一帯の文化痕跡フィールドワークする歩く会を催している。「都市物語を歩く」と称して、散歩の会を続けている。これも90回を超えた。当初は、きむらけんがナビゲーターに立ったが、会員に多くの専門家がいることからジャンルジャンルで新たな街歩きをその人たちに任せるようにしてきている。会費は300円で参加自由である。 

 北沢川文化遺産保存の会の関連ブログとしては、「東京荏原都市物語資料館」がある。ネット上に文化遺産が公開されている。なお、広報活動の一環として「下北沢文士町文化地図」を発行している。これは市民から「地図発行寄金」を募って、それをもとにして改版を重ね発行している。現在は改訂5版(一万部)を発行し、無料で配布している。

 また会では「北沢川文化遺産保存の会」会報を毎月発行し、既に90号を超えている。これは会員に届けている。年会費1200円である。事務局代田「邪宗門」で受け付けている。

 なお、当会は、市民が集って自由に、任意的に活動をしている。その延長線上にあるのが「劇部」である。既に「代田の不思議 ダイダラボッチ」の朗読劇公演を北沢タウンホールで行った。

 「北沢川文化遺産保存の会」では、活動の成果を紀要を発行して残している。創刊号は、鉄塔由来碑完成を記念して出した。「代田の丘の鉄塔文学論」だ。(12.10.6)、第2号は、「横光利一文学顕彰碑」を記念した「北沢の丘の石畳文学論」(12.11.23)である。