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幌延断層帯

(サイエンス)
ほろのべだんそうたい

幌延断層帯は、北海道稚内市に分布する断層帯で、かつては東側が西側に対して相対的に隆起する、長さ約22kmの逆断層とされてきた。
しかし、断層帯を挟んだ海成段丘面高度に著しい差はなく、また、断層帯を横断する反射断面では、西に単傾斜する地質構造のみが確認でき、断層運動によるずれは認められていない。したがって、断層東側に位置する宗谷丘陵が現在に至るまで継続的に隆起していることを示す変動地形学的証拠は認められず、またそのような地殻変動を生じさせる地下の断層の存在も認められていない。
以上のことから、宗谷丘陵の西縁に沿って分布し、宗谷丘陵を相対的に隆起させる東側隆起の活断層としての幌延断層帯は存在しないと考えられている。
なお、この断層帯が通過するとされる地域に存在する崖地形は、差別浸食による組織地形と判断できる。一方で、この地域の地層が西傾斜している事は明らかであり、この西傾斜の構造を生じさせる活動が現在も継続している可能性は否定できない。しかし、そのような変形をもたらす地下深部の断層が存在するとしても、その断層の上端が地表に達し、幌延断層帯を形成しているとは考えられない。

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