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慢性骨髄性白血病

(サイエンス)
まんせいこつずいせいはっけつびょ

概要

白血病のひとつ。Chronic myelogenous leukemia: CML
通常、白血球は芽球と呼ばれる未熟な細胞が骨髄中で分化し、成熟した白血球となって骨髄から末梢血へ出る。その白血球の数は一定の範囲内に調節されている。
慢性骨髄性白血病では骨髄、および末梢血液中の白血球の一種である顆粒球が異常に増加する。
白血球の異常な増加のほか、血小板も増加している場合が多い。赤血球は初期にはほとんど変化はないが、進行すると貧血になる。白血球数が増加するにしたがって、全身倦怠感、無気力、夜間の寝汗、体重減少などの症状が出現する。
慢性骨髄性白血病に罹った多くの方は脾臓が腫大する。そのため周囲の胃腸を圧迫することによる腹部の膨満感もみられる。

原因

9番染色体と22番染色体の相互転座によって生じる異常な染色体(フィラデルフィア染色体)上に形成される融合遺伝子bcr/ablにより、造血幹細胞の増殖が無制限に加速することによるとされる。後述する治療薬はこのbcr/ablの転写タンパク質BCR-ABLを標的としている。

病期・症状

自覚症状が無自覚な慢性期、発熱・倦怠感等が出現する急性転化の前段階である加速期、急性白血病と同様の臨床所見を呈する急性転化の3期に分類され、それぞれ治療法や寛解率・生存率は異なる。慢性期は多くの場合数年継続し、その後加速期・急性転化に至るが、短期間に、もしくは医療機関受診時に既に加速期・急性転化である例も少なくない。

治療方法

かつてはヒドロキシウレア、インターフェロンなどによる治療が行われていたが寛解率は高くなく、造血幹細胞移植が行われていた。現在は分子標的薬であるイマチニブ(グリベック®)を服用する方法が治療の第一選択であり、慢性期における寛解率は90%以上に達するようになった。現在では第二世代分子標的薬であるニロチニブ(タシグナ®)やダサチニブ(スプリセル®)が登場し、さらに治療方法の選択肢が拡大した。
ただし加速期では寛解率が低下する。急性転化した場合には急性白血病に準じた治療が行われ、造血幹細胞移植も行われるが、依然寛解率・生存率ともに低い。

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受診科:内科・血液内科

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