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民族誌

(一般)
みんぞくし

民族誌(みんぞくし, ethnography[英])とは、ある民族(ethnos, ethnic group)――ここでは一時的ないしは恒常的な集団をなす人たちと便宜的に定義する――についての記述(グラフィー, -graphy)である。ある集団についての記述は、その人たちと直接接触しないかぎり十分に実現することができないので、この記述をなすためには、その人たちと接触したり、一緒に生活時間をともにしたりする記録や記憶を中心とする経験――これをフィールドワークという――が不可欠である。なおこれに類したルポルタージュやノンフィクションと呼ばれるもこの定義にあてはまることになる(広義の民族誌)。しかしながら情報の正確さや信頼性を担保するために、方法論や資料(データ)の解釈などが含めた学術的な記録を、狭義の民族誌=エスノグラフィと理解し、ある程度の線引きをしておくことも必要になる。つまり、民族誌はなんらかのフィールドワークをもとにした、ある人々(集団)についての学術的な記録のこと、というのが民族誌についてのより正確な定義になる。落合一泰(1987)は自らの著書にエスノグラフィティ(ethno-graffiti, etno-graffito の複数形)つまり、民族誌的書き付け、ないしは落書きというタイトルを附したが、もし狭義の民族誌に求められる学術的な正確さより、着想のゆらぎをその著作に込めようとしているのであれば、このネーミングは、民族誌のあり方を反省したり、脱構築するための契機になるかもしれない。

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