『数ならぬ 伏屋《ふせや》におふる 身のうさに あるにもあらず 消ゆる帚木』 by 空蝉の君🪷 〜物の数でもない みすぼらしい屋根の低い小さな家(伏屋)生まれという 評判が立つのがつらいですから、 あるのかないのかわからずに消えてしまう帚木のように、 貴方の前から姿を消します。 💐箒木 ははきぎ💐 私はもう自分が恥ずかしくってならなくなった」 気の毒なふうであった。 それきりしばらくは何も言わない。 そして苦しそうに吐息《といき》をしてからまた女を恨んだ。 『帚木《ははきぎ》の心を知らで その原の 道にあやなく まどひぬるかな』 今夜のこの心持ちはどう言っていいかわからない、 と小君に言ってや…