前回、城左門の詩集を取り上げたばかりだが、浜松の時代舎で『PAMTHÈON (汎天苑)』Ⅳを見つけた。以下『パンテオン』と表記する。B4判をひと回り小さくした判型で、表紙にはフランス語表記でタイトルと発行年月日が記されている 。確か城もこの詩誌の同人だったはずだと繰ってみると、彼の「月光」「草の賦」というふたつの詩が寄せられていた。これらは城の「第三期」の詩に当たるのだろうし、「第四期」の『終の栖』とまったく異なる詩であり、「月光」(An extravaganza)の第一連を引いてみる。 (『PAMTHÈON (汎天苑)』Ⅳ) (『終の栖』) 白銀の 月魂石の彩(あいろ)に 街衢(まち)は冷え…