有と時

読書

有と時

うととき

つまりマルティン・ハイデガーの主著『存在と時間』の別の和訳の仕方なのであるが、この様な訳し方は、主に日本の西側で、つまりより詳しく言うならば、嘗ての我が国の中枢部の範囲内のみにて特に屡見られうる言い方なのであり、このことは、我が国哲学界の学閥的伝統の底流を流れる暗渠の如き歴史的経緯の地下水脈を秘かに遡上することなしには、少なくも容易にはその暗黒の全景を一挙には望見し難いと言われうるところなのである。