有坂秀世

読書

有坂秀世

ありさかひでよ

言語学者・国語学者中国語学者。

1908年9月5日〜1952年3月13日。広島県呉生れ。

東京大学言語学科卒業。

 有坂秀世明治四一年(一九〇八)、呉市に生まれ、幼少より東京で育った。早くより言語音声に興味を抱き、旧制一高時代に記した研究ノートは、没後に『語勢沿革研究』として刊行された。昭和六年(一九三一)に東京帝国大学を卒業し、直後より日本語音韻史、および音韻論に関する研究を中心に、論文を発表していった。独自の言語観に基づく『音韻論』により昭和一八年(一九四三)に文学博士の学位を取得、昭和二七年(一九五二)には日本語音韻史の研究をまとめた『国語音韻史の研究より日本学士院賞を授与された。

 早熟の天才といわれながらも、病弱の身で四十三歳の若さで他界したが、数多くの論文を発表し、すぐれた業績を残した。没後にはほかに『上代音韻攷』の刊行、『国語音韻史の研究』『音韻論』の増補、未発表論文などをまとめた『有坂秀世言語学国語学著述拾遺』の刊行がある。

 短い生涯であったにもかかわらず、有坂の業績がいわゆる実証的研究と理論的研究との両面に亘っていることは、注目すべきことであり、有坂の研究の枠組みを総体的に理解する上で重要である。近年では、慶谷壽信による伝記的研究や釘貫亨によるプラーグ学派理論からの批判が行われ、有坂秀世に対する再評価がなされている。(後略)

「日本語音韻史の夭折の天才 有坂秀世」伊坂淳一 月刊言語2001年2月別冊・特集:言語の20世紀101人(株式会社大修館書店

有坂秀世の業績の一部(ウェブ公開)

  • 有坂秀世
    • 江戸時代中頃に於けるハの頭音について−唐音資料に反映した
    • 古事記に於けるモの仮名の用法について
    • 不可能「しらず」 『音韻論』(単行本)
    • 『国語音韻史の研究』(明世堂)
    • 音韻論」(『音声の研究』所収論文