「無明→行→識→名色→六処→触→受→愛→取→有→生→老死」という十二縁起(十二因縁)説には、実に様々な解釈があります。 ここではあまり知られていない解釈、しかしおそらく本来の十二縁起はそのようではないかという解釈を紹介します。 まず、仏教では、有情が生まれて死んで再生するまでの期間を「生有・本有・死有・中有」の四有に分類します。生有=誕生の瞬間、本有=誕生から死亡までの期間、死有=死亡の瞬間、中有(中陰)=死亡から再生までの期間です。日本仏教では葬儀などの際、亡くなって四十九日の間を中有と説明されますが、実際は死んでから次に再生するまでの状態のことを指します。十二縁起の主な舞台はこの中有の期間…