国文学者、新潟大学名誉教授。1947年秋田県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。1975年同大学院文学研究科修士課程修了。神奈川県立横浜翠嵐高等学校教諭、新潟大学教養部専任講師、1984年助教授、91年教授、94年人文学部教授、人文社会・教育科学系教授。2013年定年退任、名誉教授。日本文学、口誦文藝論専攻。
米国から2通、電子年賀状が届きました。40年前の教え子安宅正子さんからは、アイスランド人の夫と娘2人の報告も交えたニューズレター形式(家庭新聞)でした。 大学2年生の長女は副専攻で救急医療を学び、まもなく級友とアパート暮らしの予定。高校最後の年の次女は工学部(機械工学及び宇宙工学)志望、1年間父の国へ留学する計画を立て、秋からは夫婦2人の生活が再開するそうです。国際家族は時々それぞれの母国へ帰って、老いてきた両親の許で過ごすらしい。今は次女が、家族で毎晩見るアニメのアドバイザーを務め、呪術廻戦、鬼滅の刃、スパイファミリー、ワンピースなどの中から選んで決めています、とありました。今どきの家族団欒…
新潟の鈴木孝庸さんから、抜刷①「三十日一部平家について」(新大「人文科学研究」152輯)、②「園魔王のふたつの偈―仏教的言説と平家語り―」(「比較宗教思想研究』23輯)と③「邦楽ジャーナル」3月号のコピー、チラシが送られてきました。 ②は巻6の「慈心坊」を語りの曲節から分析して、仏教的言説、漢文体表現を引用する際、物語としてはどういう扱い方をしているのかという問題を考えようとした論文。清盛が南都炎上の仏罰と思われる「あつち死」をした後、平家物語は彼の人物評価をするかのような逸話群を並べますが、中でも「慈心坊」は、清盛が実は慈恵大僧正の生まれ変わりであり、「悪業衆生同利益」をもたらしたという偈を…