太宰治の『人間失格』を読みましたので、ネタバレ交えて綴ってまいりたいと思います。 『人間失格』はどのような物語か よもやま話 『人間失格』を読もう 『人間失格』はどのような物語か 人間失格 (新潮文庫) 作者:治, 太宰 新潮社 Amazon 第一の手記はかの有名な台詞「恥の多い生涯を送ってきました」という男の告白から始まります。 男の名前は大庭葉蔵、東北の裕福な家庭に生まれました。葉蔵には人間というものが、まったく見当がつかないのです。周囲の人間…下男や下女、さらには家族すら理解することが出来ません。「空腹」という感覚がどんな感覚なのかすら、さっぱりわからないのでした。そんな人間の営みという…