* 千葉哲学の原風景 昨年の読書界で大きな反響を呼んだ『現代思想入門』の著者である哲学者、千葉雅也氏の最新小説『エレクトリック』は、これまで発表された氏の小説『デッドライン』や『オーバーヒート』と共にひとつなぎの物語としても読める作品です。 まず千葉氏の小説デビュー作『デッドライン(2019)』ではフランス現代思想を専攻するゲイの大学院生の日常が描かれます。主人公は修士論文のテーマをポスト構造主義の哲学者ジル・ドゥルーズに決めたもののその執筆過程において「動物への生成変化」という問題に突き当たります。 デッドライン(新潮文庫) 作者:千葉雅也 新潮社 Amazon 「リゾーム」の概念を提示した…