ナショナル・ミニマムとは、国家が国民全体に対して保障すべき必要最低限の生活水準を指す。この概念はイギリスのウェッブ夫妻によって提唱されたもので、賃金、労働時間、衛生、安全、保健、医療、住宅、教育、余暇、休息など、生活の再生産の全分野と生産力の増強に関わる問題として考慮される。我が国においては、憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められており、これがナショナル・ミニマムに該当する。生活保護法や福祉各法などの法律や社会保険、雇用、教育などをはじめとする社会保障制度がこの考え方の基礎となっている。 近年、インターネットは現代社会において不可欠なインフラとな…