食べ物に賞味期限(おいしく食べられる期限)と消費期限(食べられななる時)があるように、美術作品にも賞味期限(評価される期限)と消費期限(評価されなくなる時)があると思う。鮮度が命の野菜、魚の刺身。漬物や味噌、ウィスキーのように熟成するもの。さらに長い歳月を経て芳醇な美味をもたらすもの。・・・一般大衆に一時期大いに受けたカシニョール、ヒロ・ヤマガタ、ラッセンは、鮮度が命の野菜であり、魚の刺身。ヨハネス・フェルメールやジョルジュ・ド・ラ・トゥールは、長い歳月を経て芳醇をもたらすもの。すると、その間の、熟成するものに該当する美術品は何だろう。思い浮かぶのは、国華社や審美書院の複製木版画。その極精細多…