子供のころ、秋になると缶蹴りをよくした。だいたい、地域の小学生が学年を越えて10人くらい集まると村のお寺の境内で缶蹴りがはじまった。 ルールは簡単。小さい丸を書いてそこに適当なカンを置く。 夏は暑いし蚊もいるからしない。冬はじっと隠れていると寒いのでしない、春は進級して間がないのでしない。秋に向いた遊びだった。 カンを置いたらじゃんけんをして負けたものが鬼になる。子供たちは寺の裏側に散開して隠れる。鬼は寺を一周して隠れた人間を見つけると名前を呼ぶ。そうすると呼ばれたものは囚われの身となりカンのそばに描いた大きな丸の中に入る。 何周かするうちに全員捕まったら鬼の勝ち。でも、鬼が一周している間に隙…