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社会恐怖

(一般)
しゃかいきょうふ

社会恐怖(=社会不安障害,以下SADと略す)患者は人前で恥ずかしい思いをするのではないかと過剰に心配し、日常生活のさまざまな場面で支障が生じている。紅潮、発汗、震え、動悸、どもり、吃音、消化器症状などの種々の身体症状を伴うことも多く、学業、就職、婚姻などの社会生活に困難を抱えている。
発症年齢は低く平均15歳前後であり、より早期の発症もみられる。25歳以降の発症は少ない。欧米での大規模な疫学調査では、SADの生涯有病率は7-13%と不安障害の中では最も発現頻度が高い。
日本では「対人恐怖」「森田神経質」という概念が古くから知られ、森田学派を中心に膨大な研究と治療が行われてきた。対人恐怖、SAD、回避性人格障害は類似した概念であり、しばしば異同が議論される。不登校やひきこもりとSADが関連しているという意見もある。

治療

  1. 薬物療法
    • Pollackら(1999)の治療アルゴリズムでは、SSRIもしくは高力価ベンゾジアゼピンが第1選択薬である。国内で市販されているSSRIは、SADへの保険適応はまだない*1が、文献上はいずれも有効性が確認されている(高用量のSSRIが投与されていることが多い)。
  2. 心理社会的治療
    • 個人療法: 国内では一部の施設で認知行動療法(行動療法,認知療法)や森田療法が行われている。認知行動療法や森田療法を基礎とした自己治療のための書籍が数多く出版されている。
    • 集団療法: デイケアや「たまり場」のような集団への参加が治療的である。(誰もがこのような集団への参加のチャンスを得られるわけではないが)

*1:現在、マレイン酸フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)については、効能・効果に「社会不安障害」が追加されている。

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