第一 蛇の章 一、蛇 二、ダニヤ 三、犀の角 四、田を耕すバーラドヴァージャ 五、チュンダ 六、破滅 七、賤しい人 八、慈しみ 九、雪山に住む者 一〇、アーラヴァカという神霊 一、蛇 1 蛇の毒が(身体のすみずみに)ひろがるのを薬で制するように怒りが起こったのを制する修行者(比丘)はこの世とかの世とをともに捨て去る。──蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。 2 池に生える蓮華を水にもぐって折り取るようにすっかり愛欲を断ってしまった修行者はこの世とかの世とをともに捨て去る。 ──蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。 3 奔り流れる妄執の水流を涸らし尽して余すことのない修行者は…