中世ドイツの拷問・処刑具。処女と呼ばれるのは聖母マリアを模しているから。
人体型カプセルの内側に鋭い針が取り付けられている。犠牲者を閉じ込めて扉を閉じると、針が体中を刺し貫いた。針は急所を避けて貫くように設計されており犠牲者は失血によりうめき声が漏れないように
密閉されたカプセルの中で絶命する。
処女の血を浴びたり飲んだりすると、不老不死に効果があるとされたため、処刑の最中に流れた犠牲者の血を受け止めるようになっていたものもあるという。
ニュルンベルク城にある鉄の処女においては、扉を開けると底が抜け落ちた。床下に転落した死骸は、流水によってニュルンベルク城の外に排泄されるしくみだった。ただこの道具が拷問道具として使用された記録は少なく、実際には威嚇としてよく使われたようだ。
イラク戦争後ウダイ氏の邸宅で発見された鉄の処女は、オリンピックでメダルを取れなかった選手や
スパイ嫌疑にかけられた者に対して頻繁に使われていた。
レプリカが明治大学刑事博物館*1にて展示されている。
*1:明治大学アカデミーコモン地下1階