今年のNHK大河ドラマの舞台は「源氏物語」なのだそうだ。そういえば、歴史好き読書好きの僕だが「源氏物語」は読んでいないし、あらすじさえ知らない。だからというわけではないが、Book-offでふと手に取ったのが本書(1993年発表)。弁護士作家和久峻三作「赤かぶ検事シリーズ」の1冊、柊検事が長野地検松本支部勤務の時の作品である。 松本に本店を置く商社「小野物産」専務小野春洋は、社長である洋司の息子。遊び人で、女の出入りが激しいことから<光源氏>と呼ばれている。50歳を越えて、今の妻里世子(26歳)が美女なのにも関わらず芸妓の愛人などがいる。家業に無関心なので、洋司は80歳を過ぎても引退できない。…