Heinrich Schliemann(1822−1890)。ドイツ人。貧しい家に生まれ、事業で成功した。46歳の時、トルコ旅行中にトロイア遺跡の話を耳にして、財産をつぎ込んで発掘した。子供の頃からトロイアに関心があったとか、語学の天才だったとか、自伝に書いてあることはほとんど嘘で、金にあかせて売名をした成果としてその名声がある。著書を出すと批評家に金をやって賞賛させ、ある未知の人物が書評を書いたときは、すぐに小切手を送ったという。またシュリーマンがトロイアだと思った場所は、大国トロイアのごく一部に過ぎなかった。古代ギリシャ語もまったくできなかったに等しいことが今では証明されている。ツァンガー『甦るトロイア戦争』に詳しい。