正月ということもあって街に人手はあったが、歩道を歩く人より車のほうが多いのは相変わらずだ。なにしろ道を歩いているだけで、知らずに目立っている。信号を渡るときは車に乗る人が、高みの見物よろしく通行人を眺めている視線を感じた。 (山内マリコ『あのこは貴族』) (…)のおむつはうまく機能したらしかった。朝起きたらおむつのなかにしっかりうんこがおさまっていたと母がいった。父が職場から持ち帰ってきた天むすなどを食す。母は13時に予約を入れていた美容院にむかった。 『一心同体だった』(山内マリコ)を最後まで読み進めた。ファスト風土からはじまった作家のテーマがシスターフッドやフェミニズムにいたるその流れの説…