永国淳哉編「ジョン万次郎」を読む2 万次郎が捕鯨船で世界中の海を巡っていた頃、アメリカ西海岸ではゴールドラッシュのブームに湧き立っていた。そして一攫千金を目論む男どもの中に何と万次郎も身を投じていたのである。そしてここで稼いだ金が日本に戻るための渡航資金となるのだ。万次郎はホノルルに渡り現地にいた仲間二人と合流すると「アドベンチャー」号で沖縄に向かう。(アドベンチャー号は小舟だから途中までは上海行きの大きな船の甲板に乗せてもらっていた)沖縄→薩摩→長崎というルートを経て、万次郎はようやく故郷土佐へと戻った。そこから先が目まぐるしい。土佐藩から武士の身分に取り立てられるかと思えば、次には幕府から…