ハイカルチャー(文学、美術など)に対して、一般大衆が広く愛好する文化のことである。
文化の担い手に着目する見方では,エリートに対する大衆の文化の意味。英語のmass cultureに相当する。一方、マニアックな分野を指す言葉としてサブカルチャーという言葉があり、こちらは大衆文化とハイカルチャー双方に跨ってマイナーな領域を示している。
先日、お世話になっている方と『流転の地球2』の話になった。まだ自分の頭の中ではこの映画の興奮が冷めていない。メルマガに書いた『流転の地球2』における私の「見方」をここにも貼り付けておく。 なお、オフショアという屋号でいろいろやっております私のメールマガジンはこちらから購読が可能です。 mailchi.mp ーーー 人生初の経験をしました。映画館で、同じ回の映画を観ていた見ず知らずの人に、話しかけるという経験。 西宮ガーデンズのTOHOに『流転の地球 ―太陽系脱出計画―』(以下、『流転の地球2』と省略)をレイトショーで観に行ったのですが、公開2日目にもかかわらず、シアター内はガラガラ。鑑賞してい…
・ 野生の哲学 : 野口晴哉の生命宇宙 永沢哲 著 青土社 ¥1,300 2003年 第3刷 ・ 過渡期の哲学 梅本克己 著 こぶし書房 ¥1,300 2000年 初版 ・ 完訳カント政治哲学講義録 ハンナ・アーレント 明月堂書店 ¥2,500 書込 2009年 初版 ・ 魂について アリストテレス [著] ; 中畑正志 訳 京都大学学術出版会 ¥2,200 書込 2001年 初版 ・ スピノザに倣いて アラン 著 ; 神谷幹夫 訳 平凡社 ¥1,000 書込 1998年 第4刷 ・ イタリア版「マルクス主義の危機」論争 上村忠男 監修 未来社 ¥2,000 書込 2013年 初版 ・ レーヴ…
世界のコンテンツ産業について勉強していた折、世界の・そして日本のマンガプラットフォームのトップ2はピッコマとLINEマンガだと知った。 ピッコマはカカオが運営、LINEの母体はNAVERなので、韓国2大ウェブプラットフォーマーが世界のウェブトゥーン市場を牽引しているということになる。 ウェブトゥーンは元々、オンラインでの配信を前提に設計されている縦スクロールのフォーマットであり、多言語対応を前提としていることもあって地域・言語の制約を受けにくい。 大ヒットすればドラマ化・映画化といった億万長者の夢にもつながるせいか、現在韓国ではアマチュアのウェブトゥーン作家が60万人近くもいるそうだ。 このウ…
(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(21)多様なアメリカ、多様な受容(ソウル、ブルース) 1958年に渡米した小田実の放浪記『何でも見てやろう』は1961年に出版され、ベストセラーとなりました。また1962年に小田は『アメリカ』という小説も発表しています(下記の引用は、1976年刊角川文庫版『アメリカ』より)。 596p「そうだろう、いろんなアメリカがあるだろう。シャーロットのアメリカ、チャーレスのアメリカ、ボッブのアメリカ、ハイネマンのアメリカ、スコット氏のアメリカ、レットのアメリカ、ユリシーズのアメリカ、リチャードのアメリカ、そしてたぶん、社長のアメリカ、私自身のアメ…
戦前の日本で教養を身につけることができたのは、旧制高校生だけだった。最も有名なのは外国語の授業で、甲類は英語、乙類はドイツ語、丙類はフランス語が第一外国語で週に10時間以上をこの言語での購読に充てられた。この授業で旧制高校生は英独仏語による文学作品やエッセイを直接読み込んだ。記録によれば英語ではエマーソン、ホーソーン、エリオットを、ドイツ語ではゲーテやシラー、レッシングを、フランス語ではデカルト、ラシーヌ、ボードレールを読んだという。読んだと言っても教授による訳読を聞いていたに近いこともあったようだが、九鬼修造の述懐のように、こうした外国語教育で沢山の本に触れて視野が広がったという感想を持った…
展覧会『林銘君展「霧」』を鑑賞しての備忘録新生堂にて、2024年4月4日~19日。 円で抽象的に表わされた殻を持つカタツムリと衝立・屏風あるいは額縁をモティーフとした墨絵で構成される、林銘君の個展。 表題作《霧》(600mm×2730mm)は、それぞれに、暗い空間内に、霧の中に葉の繁る樹木が姿を見せる衝立と黒い円で抽象的に表わされた殻を持つカタツムリとを描いた横長の画面(600mm×910mm)を3つ横に並べて構成した作品である。右の画面には、いずれも画面左下方向に向いた衝立が9枚、不均衡な間隔でずらして置かれている。いずれの衝立も2本の足で支えられ、樹木の繁った葉が画面下側に描かれている。衝…
どうもkyoumixです(/・ω・)/ この頃腰痛がひどくて… 朝起きた時はそうでもないんですが、 子どもを抱っこしたり、料理とかで立ち仕事が続くと 少しずつ痛みが蓄積されていき、 夜にはもう痛過ぎてソファから立ち上がるのも一苦労です。 手すりないと立ち上がれない… くしゃみも響くし、本当に腰痛しんどい…( ゚Д゚) さて、この2月は ワシントンD.C.近郊(俗に言うDMVエリア)をたくさん観光しました! もう…引っ越すからさ… まだアメリカにはいるんだけど、 わざわざ観光だけしにDCに遊びにくることはないだろうなと… 丸4年もいたのに、 初めて行く場所がたくさんありました!(半分はコロナのせ…
常松洋『大衆消費社会の登場』 - logical cypher scape2は、戦間期アメリカの文化を考えるうえで、そのベースとなる社会構造などについて知れるよい本だったが、文化そのものについては手薄だったので、なんかいい本ないかなーと探しているのだが、それはそれとして、過去に自分が読んだ本から関係しそうなところを分野別にサルベージしてみることにした。 文学 といいつつ、いきなり過去に何も読んでない分野からいくが。 戦間期アメリカ文学というと、フィッツジェラルドやヘミングウェイなどの、失われた世代だろう。 彼らの作品も未読なら、そもそも彼らについてもあまりよく知らない。 パリに滞在していた時期…
友人が宿泊したので、久々にキッシュやアヒージョ、山菜炊き込みなどご馳走を食べながら雑談。実年齢よりも20年近く若い風貌を誇っていた彼にも、あちこちに綻びが見えてきた。話題に病気が出てくるなんて考えられなかったことだが、同窓生だった坂本龍一が亡くなったことも響いているのかもしれない。 翌日はテニスの後、街に出てコンサートへ。 予想外の人出でパーキングは川向かいになったので、滅多に歩かない相生橋で観光客気分を味わう。 原爆ドームに市内電車 新しいサッカースタジアムに広い川。広島、綺麗なところだな。 広島楽友協会のコンサートは啓発と愛好者の拡大を目標にしているので、ポピュラーな選曲が多い。プログラム…
日本のアニメやマンガ界において、数多くの作品が生み出されてきましたが、その中でも特に人気を誇る作品の一つが「クレヨンしんちゃん」です。この独特のキャラクターやユーモアは、多くの世代に愛されており、日本の大衆文化において不朽の存在となっています。 1.クレヨンしんちゃんの魅力 クレヨンしんちゃんの魅力の一つは、そのユニークなキャラクターデザインにあります。主人公の野原しんのすけは、赤い鼻と丸い目、独特の髪型が特徴的です。彼の無邪気な性格ややんちゃさは、視聴者に笑いを与えるだけでなく、時には彼の人間味あふれる一面も表現されます。その愛すべきキャラクターデザインは、子どもから大人まで、幅広い層に愛さ…
自分が触れたものが実感と歴史になる。 作家と美術館から見る美術史🎨研究を始めます🙌 🖼目次🖼 1、2024年の更新歴🆙 2、作家と美術館と企画展から見る美術史 ⌚1950 ポップアート(アメリカ・イギリス) 🖼草間彌生(1960) 🖼キース・ヘリング(1980) ⌚コンテンポラリーアート(作成中) 🖼三浦大地 3、これまでの更新歴 4.参考文献&WEB 🖼🖼🖼🖼 1、2024年の更新歴🆙 3/3 三浦大地🆙 2、作家と美術館と企画展から見る美術史 ※作家の後の(年号)はその分野において活躍した年。 ・原始美術(作成中) ・古代エジプト美術(作成中) ・メソポタミア美術(作成中) ・古代ローマ美…
新雑誌「イコール」創刊パーティが外苑前のシェアラウンジ神宮前内FlatBaseで盛大に行われました。 第一部。 『イコール』編集長の橘川さんの創刊の趣旨説明と来賓の紹介を兼ねたアジテーション。 私の『イコール』(知研責任編集)の「アクティブ・シニア革命」のアジテーション。「新しい世界の胚芽となるすてきな集団、すてきな関係のネットワーク、さまざまな場所で、さまざまな仕方で、いたるところで発芽させ、増殖し、ゆるやかに連合する」「一人の人間が、一年間をかけて一人だけ、ほんとうに深く共感する友人を得る、、、、100年で100億人。速い革命、、破壊する革命ではなく、創造する革命」 田原真人さんの『イコー…
――福間良明『司馬遼太郎の時代』(中公新書2022)を読む―― 司馬遼太郎が没してはや30年近く経つ。国民作家と呼ばれて今なお人気は衰えない。司馬文学がどのようにして生まれ、なぜ国民作家と言われるほどになったのか。その誕生と受容のあり方、そして行く末と教訓まで、時代との関わりで徹底的に追究する。私もまた司馬の歴史小説やエッセイ、特に『街道を行く』を愛読した。その魅力がどこから来ているのか。本書によって教えられ納得することが多くあった。 司馬遼太郎(福田定一・1923―1996年)は、大阪市浪速区に誕生した。実家は薬局を営んだ。大阪の下町で自営業を営んだ生育環境は、「既成組織に依拠せずとも何とか…
読書 4 図書館3 地元の図書館に通ったこともある。 日本人の海外旅行史の研究のために年表などある程度の資料は買い集めた。調べ始めた時期が良かった。1980年が「戦後50年」であり、1989年に昭和が終わったということで、1980年代に入って「戦後」や「昭和」を回顧した本が多く出版された、個人の思い出話や、政治史の考察といった本が多いが、私は資料になる本を買い集めた。知りたいことがあるたびに図書館に行くのは面倒だから、買い集めたのだ。例えば、次のような本だ。 『昭和史全記録』(毎日新聞社、1989)・・・1万2360円の定価で、価格に見合った内容だった。昭和の1年が1冊になった本もあり、20冊…
大河ドラマ”光る君へ”を観ている。陰謀と暗殺の日本史はわかるのだが、紫式部が主人公であれば、橋本治が桃尻語訳をした源氏物語や枕草子の”ギャルの力”を観ていたい。網野善彦が書いた、全国を流浪しいていた被差別民である芸能の民の”中世のネットワーク”も丁寧に描いてほしい。来年の大河ドラマは蔦屋重三郎が主人公になるようだ。大衆文化が花開いた時代だ。様々な読み物や浮世絵が出版されたが、アイドル的な人気のあった歌舞伎役者や花魁も被差別民である。1960年代の小劇場運動でも唐十郎は”河原乞食”を標榜していた。河原乞食にあるものは反権力と自由でしかない。今では差別は許されないが、何者かになった人たちは、筋肉や…