恋愛帝国主義

恋愛帝国主義とは、恋愛や性愛を商業の道具にしてきた従来の資本主義経済が、ネット・コミュニケーションへの参加をなかば強要するウェブ2.0の普及に伴って、商業サイトやメルマガ、個人ブログなどで「かわいい」「セクシー」といった言葉をキーワードに恋愛を絶対的な価値としてユーザーに絶えず刷り込むことにより、人並みに恋愛に関心を持っている層はもちろん、本来であれば「恋愛関係」の蚊帳の外で満足していた「非モテ」の人々をも巻き込んで「恋愛せずば人にあらず」「モテなければ人にあらず」といった強迫観念を抱かせ、旧来の価値観や社会的規範を根こそぎ駆逐しながら、恋愛に関するアイテムやサービスを大量消費させ、「恋愛の当事者である」「恋愛の当事者になりたい」という気分に浸らせ、恋愛中心の経済活動へと駆り立てるイデオロギーのことをいう。この恋愛帝国主義の絶えざる圧力や囲い込みに摩耗し、大きな疎外感を抱いて脱落する人も後を絶たない。