2008年の世界金融危機の原因について、多角的に分析したエッセイみたいな本です。ひとまずこの本が翻訳されていないのはかなりびっくりするぐらい面白かったです。 登場する組織は非常に多岐に渡り、世界金融危機は複合的な要因によりもたらされたことが示唆されています。 少なくとも「サブプライム問題」だけが問題ではなかったことを感じました。そもそもサブプライムローンは、最も普及したときに年間ローン組成の10%程度を占めており、最悪期で20%の債務不履行率だったので、全住宅ローンで見ると2%程度以下の債務不履行だったと思われます。 個人的には、「CDOを購入した年金等の機関投資家のモチベーション」「イギリス…