JR東海が、小田急との直通特急「あさぎり」用として、1991年(平成3年)に製造した特急型電車の系列。
7両編成1本が製造され、静岡運転所(現・静岡車両区(静シス))に配属され、1991年に営業運転を開始。
2012年3月16日の運転を最後に引退。翌17日から「あさぎり」は小田急60000形(MSE)のみ運転に変更され、結局、特急格上げ前の小田急片乗り入れ体制に戻った。
小田急〜国鉄(JR)御殿場線の直通列車は、昭和30年代から運転が続けられ、1968年(昭和43年)からは、小田急のSE車(3000形)により、小田急新宿〜御殿場間に急行「あさぎり」が4往復運転されていた*1。
しかし、3000形(SE車)が老朽化してきたことや、沼津への延長運転が計画されていたことから、新型車を製造して、これに対応するようにしたもので、東伊豆への観光需要を開拓したい小田急と、東京の新宿への橋頭保を狙うJR東海で、編成を持ち合うこととなった。
1991年(平成3年)3月改正で、急行「あさぎり」は特急に格上げの上で、運転区間を新宿〜沼津間に延長したが、その際に小田急側は20000形(RSE)を2本投入、JR東海は371系を1本投入して、営業運転を開始した。
当時は超好景気の時代であり、内装などは非常に凝った造りで、高級感を出している。
JR東海としては、最初の在来線特急型電車となったが、この系列のみ「ワイドビュー」の名称は付けられていない。ただし、371系が担当する特急「あさぎり」(後述)は、時刻表に「JR東海・ワイドビュー車両で運転」と記載されている。
1991年(平成3年)3月改正で、特急「あさぎり」で運用を開始。4往復中2往復を担当していた。また、静岡車両区への出入りを兼ねて、間合いで静岡地区の「ホームライナー」にも使用されていた。
※2009年まで夜間の下りホームライナーについては「あさぎり7号」沼津到着後三島まで回送し、三島始発としていた。
なお、371系電車は1本しかないため、検査などで使用できない場合は、以下の対応がとられた。
また、