内閣府原子力委員会が定期的に「原子力白書」を発行している。その中で昭和31年版 原子力白書が掲載されているのを見つけたのだが、戦後に原子力基本法が制定されるまでの経緯が記されている。大変興味深いので全文を以下に引用する。 わが国における原子核物理学の水準は高く,戦前から理論,実験の各分野において多大の貢献をなしてきたことは広く世界に知られているところであるが第二次世界大戦によつてこの分野の研究は中断され,引き続く戦後の混乱のために前後10年間にわたる研究の空白状態を余儀なくされた。しかし26年日米講和条約が締結されるにおよび,原子力研究に関する調査を開始したいという機運が起つた。 この原子力研…