吹奏楽のたどってきた道について、具体的な楽曲というものが残っていない時代にまでひとまず遡るとして、管(打)楽器はおもにその音量ゆえに、権力者がその威を振るう必要がある場面、あるいはそこまでいかなくとも共同体の結びつきと関わるかたちで役立てられてきたことが多いとは言えるでしょう。遅くとも古代エジプトではリード式・エアリードによる笛、リップリードによるラッパが揃っており、後年の用法につながるような、軍楽としての制度的な利用も現れていました。ギリシアやローマにおいても軍楽などで金管楽器の活用がみられたほか、アウロス aulos もしくはティビア tibia(おもに二股状のリード楽器)のさまざまな用例…