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HAM

HAMは、HTLV-Iというウイルスが引き起こす脊髄の病気。

HTLV-Iは、白血球リンパ球)に感染するウイルスの一種で、ウイルスを体内に持っている人の状態をキャリアと呼ぶ。

このウイルスは最近急に発見されたのではなく、古い昔から普通に存在し続けていたもので日本に多いとされてる。

このウイルス感染でまれにある種の白血病(ATL:成人T細胞白血病)が起こったり、時として脊髄疾患(HAM)を起こすことがあるとされている。


HAMについて

世界全体のキャリア数、HAM患者の実数は1999年4月に鹿児島で行われたHTLV国際学会ワークショップでそれぞれ、220万人+α、3000人+αでした。日本におけるHAM患者の実数は1500人程度で、鹿児島県で現在生存中のHAM患者は約377人です。男女比は約1:2.3と女性に多いです。平均発症年齢は45.1±16.5歳。若年発症(15歳以下)は8.2%,高齢発症(65歳以上)は9.2%。

主なものは母乳による母子垂直感染で、ほか輸血、夫婦間伝播(極めて稀、ほとんど男性から女性)がある。

  • (臨床症状)

緩徐進行性の歩行障害(痙性対麻痺)、尿が近いとか尿が出にくいなどの排尿困難、足がしびれたり、感じが鈍いといった感覚の障害です。

初期の歩行障害は足が棒のように突っ張って、ひきづりながら歩くため、足が内反し(内側を向いてしまう)、靴の外側がすれてきます。次第に突っ張り(痙性)が強くなると足を上げるのが困難となり、手すり歩行、車椅子移動になります。歩行障害の悪化と共に筋力低下が伴います。排尿障害は、最初、夜寝たあと尿が近かったり(2-3回)や1-2時間おきに何回もトイレへ行って排尿したりすることで始まることが多く、排尿後の身しぼり感や尿を出した後もまだ尿が残った感じ(残尿)やいつのまにか尿がもれたりします。残尿がひどくなるとお腹を押さえて尿を出したり、管を入れて尿を出すこと(自己導尿)になります。感覚障害は振動を感じる感覚が鈍くなり、レベルを伴ったり,伴わない異常感覚(ジンジン感)や感覚鈍麻がみられます。便秘は頑固で下剤を飲んでも出にくい場合があります。ほか、皮膚乾燥、発汗障害(多くは汗をかきにくい)などあります。

 初発症状として腰痛が9%みられます。

  • (検査所見)

 血清抗HTLV-I抗体陽性(抗体価は高い),髄液抗HTLV-I抗体陽性を認めます。ほか、血清IgE低値など。 

Tリンパ球性肺胞症(70%),涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群(25%)、関節症(20%), ぶどう膜炎(15%)、多発筋炎(5%),大脳深部白質病変(55%),魚鱗癬,ATLなど。

  • (神経病理)

  神経病理所見は胸髄中下部の※1外側皮質脊髄路を中心にした※2脱髄神経鞘および軸索の※3変性脱落が認められる。血管周囲から脊髄実質に広がる炎症性単核細胞の浸潤がみられ,炎症をおこしています。