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Hipgnosis

アート

Hipgnosis

ひぷのしす

ヒプノシス(Hipgnosis)は、1968年に結成されたイギリスのデザイン・グループ。メンバーはストーム・ソーガソン、オーブリー・パウエル、ピーター・クリストファーソン。

幻想的・知的な表現を駆使し、アルバム・ジャケットというものを単なるレコード紹介の手段から、アートワークの域にまで高めたことは大きな功績である。彼らのジャケット・デザインが売上に貢献していた面も大きい。

1970年代を中心にピンク・フロイドジェネシスレッド・ツェッペリンと言った数々のアーティストのアルバム・ジャケットを手掛けてきた。しかし、ピンク・フロイドのアルバム『アニマルズ』(1977年)において、ロジャー・ウォーターズが「Sleeve design by Roger Waters Hipgnosis」と勝手に表記してしまい、それ以来ヒプノシスはピンク・フロイドのデザインをやめてしまった。その後、新生フロイドによる1987年のアルバム『鬱』でピンク・フロイドのジャケット制作に復帰している。

前衛的・超現実的なスタイルを得意としていることから、プログレッシブ・ロックなどの先進的なアーティストの作品を手掛けることが多い。イエスのジャケット・デザインを長年に渡って担当しているロジャー・ディーン、1970年代にヴァーティゴ、ネオンと言った異色レーベルシュールなジャケットを数多く手がけたキーフとともに、ロック・ファンから馴染みの深いデザイナー集団と言える。

ヒプノシスというグループ自体は1983年に解散したが、ストーム・ソーガソンは現在もピンク・フロイドドリーム・シアターを始めとした多くのアーティストのアルバム・ジャケットのデザインを手掛けている。またピーター・クリストファーソンはディレクターとしてイエスヴァン・ヘイレンミュージック・ビデオをプロデュースしている。


ヒプノシスの代表作品

ピンク・フロイド

* 原子心母  Atom Heart Mother (1970)

* おせっかい  Meddle (1971)

* 狂気  The Dark Side of the Moon (1973)

* 炎〜あなたがここにいてほしい  Wish You Were Here (1975)

* アニマルズ  Animals (1977)

* 鬱  A Momentary Lapse of Reason (1987)

* 対  The Division Bell (1994)

レッド・ツェッペリン

* 聖なる館  Houses of the Holy (1973)

* プレゼンス  Presence (1976)

* イン・スルー・ジ・アウト・ドア  In Through the Out Door (1979)

* 最終楽章  Coda (1982)

ジェネシス

* 眩惑のブロードウェイ  The Lamb Lies on Broadway (1974)

* トリック・オブ・ザ・テイル  A Trick of the Tail (1976)

* 静寂の嵐  Wind & Wuthering (1976)

* そして3人が残った  And Then There Were Three (1978)

ピーター・ガブリエル

* ピーター・ガブリエル  I (1977)

* ピーター・ガブリエル II  II (1978)

* ピーター・ガブリエル III  III (1980)

イエス

* 究極  Going for the One (1977)

* トーマト  Tormato (1978)

ウイングス

* ヴィーナス・アンド・マース  Venus & Mars (1975)

* スピード・オブ・サウンド  Wings at the Speed of Sound (1976)

エマーソン・レイク・アンド・パーマー

* トリロジー  Trilogy (1972)

10cc

* オリジナル・サウンドトラック  The Original Soundtrack (1975)

* びっくり電話  How Dare You? (1976)

* 愛ゆえに  Deceptive Bends (1977)

エレクトリック・ライト・オーケストラ

* エレクトリック・ライト・オーケストラ(1971)

* E.L.O. 2(1973)

松任谷由実

* 昨晩お会いしましょう (1981)

* VOYAGER (1983)

* コンパートメント (1984)

* 雪月花 (2003)

その他の特徴的な作品

独創的な表現ゆえに賛否両論を巻き起こすこともあった。以下にその代表例を挙げる。

* トー・ファット『TOE FAT

o 頭部が足の親指にフォトモンタージュされた人間が数人写っている。姿はペプシマンのように見える。地元音楽誌から「音楽の価値を下げた」と酷評される。

* エドガー・ブロートン・バンド『EDGAR BROUGHTON BAND』

o 牛の腿肉が大量に吊り下げられた倉庫の光景。よく見ると、その中に人間の生足が混ざっている。

* フラッシュ『IN THE CAN』

o 裸の女性の両乳房を接写したもの。乳首は髪で隠れている。

* スコーピオンズ『ラヴドライヴ』

o 男が女のむき出しの乳房にガムのような粘着したものを着けて、伸ばしている光景。女性蔑視を想起させるとして欧米で発売差し止めに。