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Ikaros

サイエンス

IKAROS

いかろす

小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」。

超薄膜の帆を広げ太陽光圧を受けることにより推進力を得る宇宙機であり、実際に軌道上で運用されるものとしては世界初である。帆の一部に超薄膜の太陽電池セルを張り付けることにより、軌道変換を行なうと同時に発電も行なう構成となっている。ただし今回のIKAROSにおいてはその電力を機器の運用に用いることはない。姿勢制御は気液平衡ガスの噴射により緩やかに行なわれるが、膜面に搭載された液晶デバイスにより反射特性を変化させる事で姿勢を制御することも可能である。また小惑星探査機「はやぶさ」と同様に太陽光圧のみで姿勢を制御する手法も取り入れられている。


2010年5月21日に金星探査機「あかつき」と共にH-IIAロケットによって打ち上げられ、正常に惑星間軌道に乗った。5月28日にセイル先端マスを分離。スピンアップ運用を経て6月3日から1次展開運用、6月9日に2次展開運用を実施し、セイルを完全に展開し、想定通りの加速性能を得る事に成功した。また膜面に搭載された液晶デバイスと薄膜太陽電池も問題なく機能している事が確認されている。

IKAROSには2機の小型分離カメラが搭載されており、IKAROSから遠ざかりながらセイル全体の展開状態を撮影し画像を取得した。またIKAROS本体にはガンマ線検出器とダストカウンタが搭載されており、2010年7月7日にはガンマ線バーストの検出に成功している。さらに2010年7月13日には液晶デバイスのみを用いた姿勢制御にも成功した。


2010年12月8日には金星から約8万kmの地点を無事通過した。その後は当面ソーラー電力セイルを用いた加速及び軌道制御の実証、また搭載された観測装置の運用が行なわれる。

2012年12月7日、「最初の惑星間ソーラーセイル宇宙機」としてギネス世界記録に認定された。*1