ビクトル・エリセ監督の最新作、『瞳をとじて』をみた。 端的に言って、それはもうしみじみと沁みわたるように良い映画だった。 まぁ、ヒューマントラストシネマ渋谷のあの肩甲骨あたりのカーブが微妙なシートに、仕事終わりに3時間も埋もれていたものだから、「いつ終わるんだよこの映画」と思わされなくもなかったが、やっぱりまたみたい。とくに年を重ねてからみてみたい、と思った。 年を重ねてからみたいと思ったのは、それが「時間」や「記憶」にまつわる映画だったからだ。 gaga.ne.jp 『瞳をとじて』は、寡作ながらもファンの多いスペイン生まれの巨匠が、31年ぶりに世に送り出した長編映画だ。映画の撮影中に突如とし…