封切り二日目。 席数284の【CINE9】の入りは二割ほど。 冒頭のシーンで、物語のおおよその帰結の予想は付く。 実際のストーリーもそれに向かうように進み、思った通りね、とにんまり悦に入っていた。 が、終盤に繰り出された展開は予想の遥かに上を行くもの。 その素晴らしさに、良い意味での開いた口が塞がらない状態に。 自分が幼い頃、いや長じても三十路前迄は銭湯に行くことも多く、身体に紋々を入れた人もそこそこ見かけた。 中には肉襦袢ですかい?と、全身に彫りが入ったおじさんもおり、そうした人に限って妙に気さくに話しかけて来た記憶。 しかしいつ頃からだろう、それらの外見に対して不寛容な反応が出始めたのは。…