Alex Patersonを中心とするアンビエント・プロジェクト。
Brian Enoも所属したレーベルEGにてA&Rを勤める傍ら、Paul OakenfoldのクラブLand of OzでレジデントDJを勤めていたAlex Patersonが、BrilliantのJimmy Cautyと88年に「The Orb」を結成。
その年にリリースされた、Minnie Riperton「Loving You」と波の音をミックスしたシングル「Loving You」は、「アシッドハウスのパーティーで踊り狂った後にクールダウンする上で最高の音楽」としてヒット。
90年にメジャーから「A Huge Evergrouwing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld」として再リリースされる。
その後、The KLFの活動のためJimmy Cautyが脱退、代わりに伝説的パンクバンドKilling JokeのYouth(後にトランスレーベルDragonfly Recordsを創立)とエンジニアのThrash(Kris Weston)が加入。
フォルクスワーゲン・ビートルのCMにも起用された、Steve Reichをサンプリングした90年のシングル「Little Fluffy Clouds」はクラブユースのサウンドながら全英シングル・チャート20位入りを果たす。
91年にこれもアルバム・チャート30位入りを果たしたアルバム「Adventures Beyond The Ultra World」をリリース、「アンビエント・ハウス」の旗手として注目を浴びる。
セカンドアルバム「U.F.Orb」はなんと全英アルバム・チャート1位となり、「トップ・オブ・ザ・ポップス」にも出演。
92年のシングル「Blue Room」も全英シングル・チャート1位となり、同時にギネス・ブックに「最も長いシングル曲(39分58秒)」として登録されている。
以降、Thomas FehlmannやSun Electric、Robert Philipらとのコラボレーションを行いつつ、アンビエントで実験的でありながらユーモア溢れるポップという独特のスタイルで活動を続けている。
The Orbは多くのプロデュースやリミックスを行っている。代表的なものとしては、KLFの歴史的名盤「Chill Out」のプロデュースや、Primal Scream「Higher Than The Sun」などがある。
93年のYMO再結成時には、YMOのリミックスアルバムを2枚リリースし、東京ドーム公演の前座も務めた。
ライブも積極的に行っており、Fuji Rock Festival 99やSummer Sonic 2001にヘッドライナーとして出演している。