「生きた言葉」とは何だろう。 1990年代の日本の音楽シーンを形作っていたのはテレビ、ラジオ、レンタル屋、レコード屋、それに雑誌などの活字メディアだ。 街中の有線放送などもあったかもしれないが、そもそもラジオのリクエストで無料で聴ける音楽。町中でかかっていて流される音楽。それについて何から学び始めたらよいか分からない身の回りの社会。手に取った本は街にばらまかれた宣伝としての論評雑誌で、新譜を求める大衆と一線を画するために売れなくなるレコードをミュージシャンの活動を大樹と例え「根/ルーツ」として類似の前例を必死で探して結び付け売りつけるために参照リファレンスを膨大に活字化した雑誌がばらまかれてい…