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SWORDBREAKER

(マンガ)
そーどぶれいかー

週刊少年ジャンプ2002年36号〜2002年51号連載作品。全二巻。

あらすじ

遠い昔、ブリリアントと呼ばれる聖地から「最強の剣」を奪った邪悪な魔法使いアバルは、世界中へと大戦争を仕掛けた。
そんなとき、一人の勇者が、どんな剣でも砕くといわれる「最強の楯」を携えて現れ、アバルを打ち倒した。しかし、アバルは死に際に勇者に呪いを掛け、遠き異世界へと彼を吹き飛ばしてしまう。いつか復活するという言葉とともに……
そして現代の日本。
青年・虎一は解体作業中の古びた教会の中で、額にダイヤの形の痣を持つ赤ん坊を拾う。
「尊人(ミコト)」と名付けられたその赤ん坊は、孤児院へと預けられ、虎一に見守られ、すくすくと成長していく。
そして、尊人が九歳になった頃、ある事件がきっかけで、尊人は「勇者ルルド」としての記憶を取り戻す。
元の世界に起こりつつある危機を悟った尊人は、自分を育ててくれた全てに感謝しつつ、現代に別れを告げるのだった。

主な登場人物

  • 尊人(ルルド)「これが……人間の温もり……だよ……」
  • 虎一 「親がいねえやつは……どーすりゃいいんだよ!!」
  • トランス 「剣の前で交わした約束は─命をかけて守る!」
  • サーナ 「そーゆうみみっちい捨て台詞を吐く男が── 一番ムカつくんだよね!」
  • ズール 「オマエのような鬼畜を探していた!!」
  • グリード 「予言を守れグルトニー!お前は人間を殺しすぎだ!!」
  • グルトニー 「裏切り 嘘! 虚栄!! 肉欲! 嫉妬! 差別! 暴力!! 狂気!!!」

細かな設定

  • 味方キャラクター

かつてルルドがアバルとの一戦で用いた「最強の楯」ソードブレイカーには、7つの聖石(ダイヤモンド)が埋め込まれている。すなわち、
太陽聖石(オクダイヤモンド)火星聖石(ファレグダイヤモンド)水星聖石(オフィエルダイヤモンド)月聖石(ソルダイヤモンド)金星聖石(ハギトダイヤモンド)木星聖石(ベトールダイヤモンド)土星聖石(アラトロンダイヤモンド)の7つである。
それらが全て揃っていれば、ソードブレイカーは真の能力を発揮することができるようになる。しかし、アバルとの一戦でそれらのうち太陽聖石を除く6つの聖石は散らばってしまい、ソードブレイカーの能力は低下していた。
6つの聖石は長く人の手を渡り歩いてきたが、尊人が戻って来たことで、尊人と引かれ合うようにして、聖石を持つ者が尊人の傍へとやってくるようになる。
聖石を持つ者は、尊人と出会うことで、尊人を守る守護剣士(ガーディアン)として、魔人にも対抗しうる特殊な能力を使うことができるようになる。

  • 敵キャラクター

尊人が帰ってきた元の世界には、かつてルルドが打ち倒したアバルを神として崇拝し、人間の完全なる抹殺を目論む殺人集団「アバルの信徒」が存在する。
アバルの信徒のトップは「大予言者ズール」と呼ばれる魔人であり、その下に七剣邪(しちけんじゃと呼ばれる七人の幹部が居り、それぞれが、ズールの命に従い、各地で人間を虐殺している。
ズールは、「邪凶星エレボス」と呼ばれる謎の黒い球を持ち、このエレボスの出す「導き」を守る事で、アバル神が復活させることができる、としている。
魔人は、もとは人間だったものが、邪悪な心を持った者が、悪魔核(デビルコア)と呼ばれる物を埋め込まれることによって、悪のエネルギーを増大させて変化したもので、人間には持ち得ないさまざまな能力を秘めた化け物である。
七剣邪には、それぞれグリード・グルトニー・ラスト・エンヴィー・レス・プライド・スロウスと、キリスト教の七大罪をモチーフにした名前が付けられている。

  • その他

ルルドの居た世界と、現代とでは時間軸が異なり、時の進む速さが異なる。
ルルドの居た世界は、現代と比べおよそ100倍の速度で時間が経過している。

補足説明

ソードブレイカーは、ジャンプの打ち切りシステムにありがちな、典型的な打ち切り作品である。しかし、他の作品とはかなり異なるのが、一部のファンからの熱狂的な支持と、職人達によるハイクオリティな二次創作である。
そもそもこの作品は、ジャンプ不良漫画の大御所梅澤春人氏が、全く異なるジャンルに挑戦した意欲作であったが、設定やストーリーはシンプルでスタンダードなファンタジーRPGものの域を出ることができず、初期の読者の反応は、そう遠くないうちに打ち切られるだろうという冷笑にも似た予測が大勢であった。
案の定、ストーリーはあまり盛り上がることはなく進行するが、ここでひとつの変化が生じる。元々梅澤氏の作品には、不良漫画時代からの「ロック」という概念が存在していたが、これがSBの世界に次第に混入し始め、その異様な作風は、有り体に言ってしまえば、「笑える」というおかしな状況を生んだ。ここで、この作品は一部の人間に─本来とは異なる楽しみ方であるにしても─大ブレイクを起こした。
当然の事ながら、ブレイクしたのは主にインターネットでであり、本来の読者層である小学生などには全く見向きもされなかったものの、特に2ch関係のスレッドは連日に渡り好評を博し、才能ある職人達を、才能の偉大なる無駄遣いへと走らせることとなった。
こうして一躍ジャンプのみならず、当時の少年漫画界の”裏”人気漫画と化したソードブレイカーは、51号に終了するまでの間、あたかも祭りの神輿のように、熱狂に担ぎ上げられたのである。
これほどまでの盛り上がりを見せた一因としては、幸運にも有力職人らがタイミング良くコミュニティに参加して来たこともあるにせよ、やはり、本編がさほど面白い展開にならなかったこともあげられるのではないかと思われる。
本編はそれほどでもないのに、それ以外の部分は異常に面白い。だが、そう遠くないうちに打ち切られるだろう……そういった意識が、燃え尽きる寸前の蝋燭のように、ファンと作品に、激しい光をもたらしたのではないだろうか……
また、2chを中心として、ソードブレイカーのファンは強く結束し、自らを作中の集団に見立て「アバル信徒」と呼称した。現在でも、アバル信徒は2ch懐かし漫画板にて、かつての熱狂を思い起こすかのように静かに過ごしており、また、ソードブレイカーのAAやネタなどは、2ch各板の様々なスレッドにて散見することが可能である。
ただし、現在打ち切りの危機に瀕している漫画のファンにとっては、「ソードブレイカー」は打ち切り漫画の代表的存在と化しており、アバル信徒を忌避する者も少なくない。
なお、本編はそれほど面白くないと説明したが、第一話と最終話は非常に綺麗に纏められており、一読の価値がある。梅澤氏の作家としての技量を伺うことができる。

二次創作紹介

ソードブレイカーは、その激しい一生のうちに、インターネット上に様々な独自の文化を構築するに至った。
参考URLにその一部をリンクしたので、参照されたい。もう少し詳しく知りたい方は、サーチエンジンなどで検索するとよいだろう。

コミックス

ソードブレイカー

  1. ISBN:4088733525
  2. ISBN:4088733975

関連語:リスト::漫画作品タイトル ソドブレ ソードブレイカー

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