★★★ 2024年1月11日(木) シネヌーヴォ 愛犬を殺され復讐に血眼になるトルコ嬢というのが物語の骨子なのだが、そこに絡ませ切れてないネタを大量にぶち込んで悠久の混沌とも言える時空を横断したエキセントリックハイパーナチュラルな世界が現出している。言い換えれば闇鍋状態の思い込みの坩堝。 橋本忍は述懐している。考えれば考えるほど失敗作に思えてきたが準備がすすんで後戻りできなかった、と。「砂の器」「八甲田山」の成功を背景に橋本プロは飛ぶ鳥を落とす勢いで誰も止められなかったんだろう、橋本自身でさえも。 内容的にてんで体を為していない映画なのに外枠は頑強である。黒澤組から撮影の上田正孝と美術の村木与…