ベートーヴェンの交響曲の1つ。交響曲第5番ハ短調作品67。1808年ごろ作曲。
「運命」という通称は日本限定であり、これはベートーヴェンが「運命が戸を叩く」と語ったとされることに由来する。
有名な運命のモチーフ*1で曲ははじまる。ホルンによるモチーフのあと、第2主題がヴァイオリンによって奏でられる。伴奏のリズムには運命のモチーフが使われる。つづく再現部ではテンポを落としてオーボエが一節を吹き、呈示部では第2主題の導入のモチーフがファゴットで演奏される。コーダでは再度「運命の動機」を展開してしめくくる。
2つの主題による変奏曲。まず低弦を中心とした第1主題、そして木管楽器による第2主題が提示される。2つの主題は交互に演奏されて行く。
3部形式のスケルツォ。まず低弦の主題で始まる。続いてホルンで「運命の主題」のリズム。トリオの主題はチェロ・コントラバスから次々に高い弦楽器に移っていきフガートになる。曲調はだんだんと静かになっていきそのまま4楽章へ。
第3楽章の最後の短調がハ長調に切り替わるともに、「C,E,G」ととても力強く第1主題が出る。つづいて弾むようなヴァイオリンの第2主題、第2主題で展開部が進む。途中、第3楽章のスケルツォが再現され、また第1主題となる。第2主題が出てきた後、コーダが盛り上がって曲を締めくくる。
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*1:ピアノ協奏曲第4番、ピアノソナタ「熱情」でも用いられた。